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2021.03.17

2022.12.01

コラム

日本の伝統が受け継ぐ藍染の魅力

日本の伝統が受け継ぐ藍染の魅力

古来より日本人に愛され、受け継がれてきた藍染。

洗うほどに色が馴染み、美しくなる藍染の色は、東京オリンピック・パラリンピックの公式エンブレムにも採用され、「ジャパン・ブルー」と呼ばれるほど日本人にとって特別な色でもあります。

何故こんなにも日本人に愛されてきたのか、今回はそんな藍染についてご紹介します。


藍染の基礎知識

藍染の基礎知識

藍染の歴史

藍染の原料である藍は、人類最古の染料ともいわれ、世界中で使われています。
日本へは約1500年前・奈良時代に中国から朝鮮を経て伝えられたとされており、平安時代には高貴な色として使われ、古くは正倉院宝物の1つに藍染布が保管されています。

藍色の別名は「褐色」と言い、「勝ち色」とも書くことから、鎌倉時代には武士が「勝ち色」を身に着ける習慣が定着。
江戸時代には木綿の生産量が増え、庶民の間でも藍染製品が親しまれるようになりました。

その後、安価なインドアイや合成染料が登場したことから、明治後期には日本国内での生産量が激減。
さらに昭和の戦時中には藍が栽培禁止となり、藍の生産が途絶えてしまう危機が訪れたこともありますが、藍農家の努力により藍を絶やすことなく、今日までの藍染文化が引き継がれています。

ジャパン・ブルーとしての藍色

日本古来より愛用されている藍染は、鮮やかで深みのある藍色(青)を「ジャパン・ブルー」として世界でも注目されると同時に、日本の伝統文化の一つとして語られることが多く、それは現在も受け継がれています。
では世界中でも使われていた染料が、なぜ「ジャパン・ブルー」として注目されているのか、ご存じでしょうか?

実は藍色は、平安時代までは主に宮廷や上流貴族が身に着ける高貴な色とされていたのですが、江戸時代に庶民の間でも広く使われるようになり、普段着や半纏、暖簾、風呂敷、手ぬぐいと様々なアイテム全てに藍で染色されるようになりました。

そのように町全体が藍一色となった様を、来日したイギリス人化学者のロバート・ウィリアム・アトキンソンが「ジャパン・ブルー」と称したことから 藍色は日本を象徴する色となりました。

藍の持つ効果

藍染の染料として使われる藍には、実は以下のような効果があります。
  • 虫を寄せ付けない防虫効果
  • 汗臭さなどを抑える消臭効果
  • アトピー性皮膚炎に優しい抗菌効果
  • 日焼けを防ぐ紫外線防止効果
  • 解熱・解毒・抗炎症薬としての効果
藍は古くから解熱、解毒や抗炎症薬等に用いられる薬用植物として重宝されており、江戸時代には毒を持つ生き物にかまれた傷の治療に利用されていたという記録も残っています。

また藍には消臭効果や虫よけ効果があるため、古くから酒造業、蕎麦屋、呉服商などの多くが藍染の「のれん」を利用していたことから、藍染のれんは現代でも店の顔として愛されています。

藍染の魅力

藍染の魅力はなんと言っても、使用と洗濯を繰り返すことで、色が馴染んでいく様が楽しめることです。生きた染料を日々管理しながら、手染めした藍染めはオンリーワンの出来上がりとなるのが一番の魅力と言えます。

また藍染に使われる藍は、天然素材から作られる染料であるため、虫をはじめ蛇も苦手とする防虫効果や、汗臭さが気にならない消臭効果、染色する事で生地糸を強固にする効果などがあることも、古くから藍染が日本人に愛されてきた理由でもあります。

藍染で表現できる柄の例

筒巻き絞り

【筒巻き絞り】
水面にできる“さざ波”のような美しい模様が特徴の「筒巻き絞り」。

涼やかな水面の揺らぎだけでなく、夏の夜空や爽やかな青空などが表現できる絞り方です。


雪花絞り

【雪花絞り】
「雪花絞り」は、雪の結晶や花のような模様が特徴的で華やかな印象から、藍染の反物や浴衣のデザインとしても人気があります。


巻き上げ絞り

【巻き上げ絞り】
「巻き上げ絞り」とは、その名の通り、紐を巻き上げて模様の輪郭を作り、染め上げる絞り染め技法のひとつです。

「巻き上げ絞り」は、生地に同じ幅でヒダを寄せたり、蛇腹に折り畳んだ後にゴムや紐を巻き付けたりして染めていきます。


むらくも染め

【むらくも染め】
全体に濃淡があり、雲間のような模様が特徴の「むらくも染め」。

むらくも染めは、生地を両手の指でわし掴み、ランダムにヒダを寄せてゴムで固定して染めます。


藍染の工程

藍染の工程

藍染はどのような工程で染められるのかについてご紹介します。

まず、染料以外に必要な材料については、以下のものが挙げられます。

  • 絞りをする為のゴム、紐、木片、パイプなどの道具類
  • ソーダ灰(炭酸ナトリウム)または消石灰をアルカリ材として使用
  • ハイドロサルファイト(還元剤)
  • 湯(60℃程度)
  • お酢(酢酸)
特に絞り染めという染め方は、アイデア次第でパターンが無限大にあるため、上記の道具以外にも使えるものは数多くあります。

では、実際にどうやって染めていくのか、工程をご紹介します。

工程 1. 染料の準備

藍汁をためておく藍甕(あいがめ)に、タデ藍の葉を乾燥し発酵させた蒅(すくも)を入れて、微生物による自然発酵や化学薬品(アルカリ剤など)を用いて水溶性の染料へと還元させます。

この一連の工程を「藍を建てる」と言います。

工程 2. 絞り

染料の準備が終わったら、染めたい生地に藍染の柄を出すための準備をします。

藍染の絞り方によって表現できる柄には、「雪花絞り」や「筒巻き絞り」などの定番の絞り方以外にも、数多くの技法が存在しています。
藍染の絞り方

例えば、雪の結晶や花のような模様を表現する際に使われる「雪花絞り」という技法では、上記の写真のように折り畳んだ布を2枚の板ではさみ、クランプでしっかりと締めた後に輪ゴムで固定できたら、準備の完成です。

工程 3. 藍の華を確認

最初に準備した染料液の表面には、次第に「藍の華」と呼ばれる泡が浮かんでくるのですが、この「藍の華」が立ったら、染め時です。

念のため、染色をする前に、きちんと染まるか確認するために染試験も行っておいた方が安心です。

工程 4. 水につける

染料が完成し、染試験にも問題がなければいざ藍染の染色の工程に入ります。

染めたい生地を水に浸け、まんべんなく浸透させていきます。この工程をはさむことで、より藍が浸透しやすくなります。
その後はよく絞り、水気を切っておきましょう。

工程 5. 染色液につける

生地の水気を十分に切ったら、藍の染料液に投入し、染色を開始します。
生地を染料の中へと静かにゆっくり入れ、1~2分つけていると色付いてきます。

工程 6. 染色物を空気にさらす

思い通りの場所が色づいたら、生地を染料から引き上げ、しっかりと水気を絞ります。そして生地を広げて1~2分空気にさらして待つと、酸化発色でうっすらと藍色になっているのが確認できます。

希望の色目になるまで工程の「5」と「6」を2、3回繰り返すのですが、色を濃くしたい場合は、この工程を5回ほど行って色を調整していきます。

工程 7. 染料を洗い流す

理想の色になったら、藍から取り出して水道水で余分な染料を洗い流します。

色がある程度出なくなるまで、しっかりと洗い、洗った後は水気を絞り、5分程度酢酸につけて「色留め」をします。
この工程を行うことで色落ち防止になります。

工程 8. 乾燥

最後の工程では、藍染で染め上がったものを乾燥させていきます。空気酸化をさせることで、染料の定着を促す効果があります。

藍は時間が経つにつれ色素が繊維の中に入りこんでいき、色が丈夫になり独特の深みを増していきます。

藍染を体験するには

藍染を体験するには

世界に一つだけのオリジナルアイテムが作れることもあり、ご好評いただいている藍染体験。
水野染工場では、「日比谷オクロジ店」にて、毎月4日程度開催しています。

藍染体験で染められるアイテムは、Tシャツやストールのほか、ハンカチやスカーフなど、様々な種類をご用意しております。ご希望の方は、染めたい生地を持ち込んでいただくことも可能です。

開催の詳細は水野染工場「日比谷オクロジ店」のホームページ上で常時お知らせしておりますので、ご希望の方はこちらから開催日時や内容をご確認ください。

伝統的な藍染をもっと近くに

伝統的な藍染製品を取り扱う水野染工場「日比谷オクロジ店」
- 世界中を、感動で染める -
水野染工場では印染商品を中心に、図案から染色、縫製までを一貫して制作。様々な伝統技法を用いて、お客様の「想い」に寄り添う商品をひとつひとつ、心を込めて染め上げます。

日比谷オクロジ店

水野染工場「日比谷オクロジ店」は2店舗あり、1号店では藍染体験やリメイクを、2号店では手ぬぐいや藍染アイテムを販売をしています。手ぬぐい、のれん、半纏・法被、旗など、印染製品のオーダーメイドを直接ご相談いただけます。
ぜひ染物をお手に取ってご体感ください。
    水野染工場「日比谷オクロジ店」
  • 〒100-0011 東京都千代田区内幸町一丁目7-1 JR高架下
  • ・JR有楽町駅 日比谷口 徒歩6分
  • ・JR新橋駅 日比谷口 徒歩6分
  • ・東京メトロ銀座駅 徒歩6分
  • ・東京メトロ日比谷駅 徒歩6分
  • ・都営地下鉄内幸町駅 徒歩5分

藍で人と自然を結び、藍で人と人が繋がり、藍で楽しむ

藍染体験ができる「藍染結の杜」
- 世界中が、藍を楽しむ -
自然豊かな美瑛町で、原料となる藍の栽培から藍染を行い、人と自然を藍で結びたい。そして美瑛町の景色にある美瑛ブルーと藍染の色合いが重なり合い、伝統的な美しさを新しいカタチで表現していきます。

藍染結の杜

藍染結の杜には、藍染体験(予約制)、各種藍染製品のショップ、藍茶が飲めるカフェがあります。
北海道美瑛町の絶景を一望できる丘が敷地内にあり、写真スポットとしてもお勧めです。
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    藍染結の杜(あいぞめゆいのもり)
  • 〒071-0474 北海道上川郡美瑛町字拓進(拓真館前)
  • ・JR美瑛駅から車で約15分、レンタサイクルで約40分​
  • ・旭川空港から車で約30分
  • ・JR旭川駅前から車で約45分

各種印染製品のオーダーメイドについて

水野染工場では、半纏(法被)、暖簾、大漁旗、幟、社旗、旗(フラッグ)など、各種印染製品のオーダーメイドを承っております。
>>商品一覧を見る
オーダーメイドに関するご相談は下記よりお願いいたします。

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お客様からの口コミ

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★★★★★

2024.04.10

四国三大祭り「新居浜太鼓祭り」を盛り上げる約50台の太鼓台(山車)のひとつ長野太鼓台の旗や幟は水野染工場さんにな発注させて頂いております。これまで製品は全て満足できる仕上りで、迅速で丁寧なご対応をいただいております。

★★★★★

2024.03.15

丁寧な接客に満足(^^)してます。

★★★★★

2023.08.04

手ぬぐいの種類が豊富です。

★★★★★

2023.07.28

★★★★★

2023.07.03

今年の3月に娘のソフトボール部の先輩に送るためにユニフォームベアを購入しました。あまりのかわいさに、我々現3年も購入してしまいました。
先輩達にも大変喜んでもらえたのですが、残念ながら写真を撮ることが出来ませんでした。
先日娘達にも、最後の試合前にユニフォームベアを渡しました。最後の試合は負けてしまいましたが、一緒にいい写真が撮れました。
とても喜んでくれたので、本当にここでお願いして良かったと思います。ありがとうございました♪

★★★★★

2023.06.26

結婚式のお祝いに大漁旗を注文しました。披露宴のスピーチ途中でぱっと広げたところ、皆さんビックリされて大受けでした!
完全オリジナルデザインですが細部まで正確に仕上がり、ぼかし具合も絶妙で大満足です。

★★★★★

2023.03.28

店舗用の暖簾を作成して頂きました。暖簾はお店の顔なので安価な印刷物では無く染物が良かったのでこちらにお願いしました。生地、裏まで染まった文字は良い風合いがあり大変満足しています。値段も納得のいく価格で提案、やり取りもスムーズでした。

★★★★★

2023.02.28

★★★★★

2023.02.13

卒団の記念で作成していただきました。
出来上がりのレイアウトを送っていただき、細かい部分の修正も快く引き受けてくれたり、生地のサンプル品も送っていただいて、要望通りの作品となりとても満足してます!

★★★★★

2023.02.13

2023年1月にアメフトチームの旗(4.5M×3M)を注文させていただきました。(ご参考までに、伸縮ポールと合わせて13万円程度。)
ご対応も、品質も、大満足でございます。

納期に関して随分とわがままを言わせていただいたのですが、何とか間に合うようにと、超特急で作成いただき、大変感謝しております。
最初にお電話でご相談させていただいたのが1月20日(金)。
発送を頂いたのは翌週の1月25日(水)。
東京で受け取ったのが1月27日(金)。
と大変スムーズなやり取りでした。
これから旗を作成されるご予定の方は、水野染工場さん、とてもおすすめですよ!

私たち川崎グリズリーズは、JPFFというアメフトリーグで、11年ぶりの東日本大会優勝がかかった試合に臨むところでした。
チームを盛り上げるために、思い切って大きな旗を作成いたしましたが、そのおかげもあってか、無事優勝することができました。
ありがとうございました!

★★★★★

2023.02.06

ユニベアを注文しました。
とても丁寧な対応をして頂き、商品も想像以上の素敵な仕上がりで大満足です。
早くて安く本当に感謝の気持ちでいっぱいです!また、何かありましたら
是非お願いしたいです。
ありがとうございました☆

★★★★

2022.11.15

店員さんの対応が親切で大変良かった。
何回か動物マスク買いに行くたびに、店員さんの対応に感心します。

★★★★★

2022.11.02

主人の還暦祝いに、お客さん達からのプレゼントにこの大漁旗を選びました。色あざやかでとても素敵な贈り物ができました。ありがとうございます( ´ー`)

★★★★★

2022.10.20

ミニバスのチーム旗をご制作頂きました。
旗が完成するまでの間、担当の保護者さんと何度も何度もやりとりして頂き、とても素晴らしいチーム旗を完成させて頂きました。
チーム関係者一同、心より感謝しています。この先、ずっと何年も子供達を励まし続けてくれることと思います。
本当に有難うございました。

★★★★★

2022.09.25

本当に丁寧な説明、早い納品、どれを取っても素晴らしい対応ありがとうございました!

今後、日除け幕だけではなく暖簾の検討もしたいなと思ってるのでまたよろしくお願いします!!

★★★★★

2022.09.17

先日、よさこい旗の製作を注文しました。
私の下手くそな手書きのイメージ画からデサインを起こして頂き、何度も手直し修正のご対応にお付き合いして頂きました。
お陰様で、イメージ以上に素敵な旗が出来上がり、大変満足しております。
今回で2回目の注文でしたが前回以上に満足しております。

★★★★★

2022.07.30

のれんを作って頂くのが初めてで色々不安もありましたが、お店の対応も良く出来上がりは綺麗な藍染めで、生地の感触もよく喜んでいます。
ありがとうございました。

★★★★★

2022.07.21

暖簾も印半纏も素晴らしい仕上がりでした
角字も対応していただけます

★★★★★

2022.06.07

手拭いですボトル包みは勉強になりました。
手拭いでお客様や大切な人にお渡しできるシリーズを見たいです。平成29年岡崎さんに緑が丘グリーンボーイズ野球少年団旗をお世話になった大木と申します。今団旗のタオル版検討中です。
あと、他の団体の方にも口コミしました。

★★★★★

2022.05.06

水野染工場さんには店舗幕の制作中とても親切に対応していただきました。完成品はこちらの要望以上で満足しています。
アフターサービスも申し分なく、とても感謝しております。
工芸ギャラリー邁

★★★★★

2022.02.23

自分用と贈答用でお世話になりました。
デザインや生地選び、染め方など、素人の私が理解できるくらい丁寧でした。
初めてお願いしたのが、水野染工場さんで本当に良かったです(*^^*)
大満足です☆

★★★★★

2022.01.06

デザインの構成画について色々と相談、修正の対応をしていただきました。
何度でも色んなパターンで作成して頂けたのがよかったです。
お陰様で、思っていた以上の素敵な横断幕を作成していただきました。
ありがとうございました。

★★★★★

2021.12.26

丁寧に相談にのっていただきました。とても品質も良く大満足です。

★★★★★

2021.10.01

最近は旭川土産として、動物マスクを買わせて頂いてます。

★★★★★

2021.08.30

思っていたより少し明るい色でしたが、お店に合っていてとても気に入りました。
素敵な暖簾に仕上げてもらって、緊急事態が終わり営業再開するのが待ち遠しいです。
ありがとうございました!

★★★★★

2021.07.27

今回で2回目の注文をさせて頂きました。
伊豆の漁師たちの間でも評判が良く
噂通りの対応の良さと品質の良さに
驚きと感謝しかありません。
友人の新船祝いにプレゼントし
大変、喜んで頂きました!
毎回不慣れなイメージデザインに
丁寧に対応していただき
そして、お手伝いまでして
頂きありがとうございました。
またご利用できる機会がありましたら
是非!よろしくお願い致します。

★★★★★

2021.07.21

息子が誕生日した記念に両親からプレゼントしてもらいました。
一生モノの素敵な大漁旗、大満足です!!

★★★★★

2021.06.24

娘が動物マスクのお気に入りなので
新たに購入しました。

こちらの手違いでサイズを間違って購入したのですが、
敏速丁寧に対応いただきました。

★★★★★

2020.04.29

手作りマスクのこと、電話で問い合わせ。丁寧に応対して頂く

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