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日本の伝統が受け継ぐ藍染の魅力


日本の伝統が受け継ぐ藍染の魅力

古来より日本人に愛され、受け継がれてきた藍染。

洗うほどに色が馴染み、美しくなる藍染の色は、東京オリンピック・パラリンピックの公式エンブレムにも採用され、「ジャパン・ブルー」と呼ばれるほど日本人にとって特別な色でもあります。

何故こんなにも日本人に愛されてきたのか、今回はそんな藍染についてご紹介します。


藍染の基礎知識

藍染の基礎知識

藍染の歴史

藍染の原料である藍は、人類最古の染料ともいわれ、世界中で使われています。
日本へは約1500年前・奈良時代に中国から朝鮮を経て伝えられたとされており、平安時代には高貴な色として使われ、古くは正倉院宝物の1つに藍染布が保管されています。

藍色の別名は「褐色」と言い、「勝ち色」とも書くことから、鎌倉時代には武士が「勝ち色」を身に着ける習慣が定着。
江戸時代には木綿の生産量が増え、庶民の間でも藍染製品が親しまれるようになりました。

その後、安価なインドアイや合成染料が登場したことから、明治後期には日本国内での生産量が激減。
さらに昭和の戦時中には藍が栽培禁止となり、藍の生産が途絶えてしまう危機が訪れたこともありますが、藍農家の努力により藍を絶やすことなく、今日までの藍染文化が引き継がれています。

ジャパン・ブルーとしての藍色

日本古来より愛用されている藍染は、鮮やかで深みのある藍色(青)を「ジャパン・ブルー」として世界でも注目されると同時に、日本の伝統文化の一つとして語られることが多く、それは現在も受け継がれています。
では世界中でも使われていた染料が、なぜ「ジャパン・ブルー」として注目されているのか、ご存じでしょうか?

実は藍色は、平安時代までは主に宮廷や上流貴族が身に着ける高貴な色とされていたのですが、江戸時代に庶民の間でも広く使われるようになり、普段着や半纏、暖簾、風呂敷、手ぬぐいと様々なアイテム全てに藍で染色されるようになりました。

そのように町全体が藍一色となった様を、来日したイギリス人化学者のロバート・ウィリアム・アトキンソンが「ジャパン・ブルー」と称したことから 藍色は日本を象徴する色となりました。

藍の持つ効果

藍染の染料として使われる藍には、実は以下のような効果があります。
  • 虫を寄せ付けない防虫効果
  • 汗臭さなどを抑える消臭効果
  • アトピー性皮膚炎に優しい抗菌効果
  • 日焼けを防ぐ紫外線防止効果
  • 解熱・解毒・抗炎症薬としての効果
藍は古くから解熱、解毒や抗炎症薬等に用いられる薬用植物として重宝されており、江戸時代には毒を持つ生き物にかまれた傷の治療に利用されていたという記録も残っています。

また藍には消臭効果や虫よけ効果があるため、古くから酒造業、蕎麦屋、呉服商などの多くが藍染の「のれん」を利用していたことから、藍染のれんは現代でも店の顔として愛されています。

藍染の魅力

藍染の魅力はなんと言っても、使用と洗濯を繰り返すことで、色が馴染んでいく様が楽しめることです。生きた染料を日々管理しながら、手染めした藍染めはオンリーワンの出来上がりとなるのが一番の魅力と言えます。

また藍染に使われる藍は、天然素材から作られる染料であるため、虫をはじめ蛇も苦手とする防虫効果や、汗臭さが気にならない消臭効果、染色する事で生地糸を強固にする効果などがあることも、古くから藍染が日本人に愛されてきた理由でもあります。

藍染で表現できる柄の例

筒巻き絞り

【筒巻き絞り】
水面にできる“さざ波”のような美しい模様が特徴の「筒巻き絞り」。

涼やかな水面の揺らぎだけでなく、夏の夜空や爽やかな青空などが表現できる絞り方です。


雪花絞り

【雪花絞り】
「雪花絞り」は、雪の結晶や花のような模様が特徴的で華やかな印象から、藍染の反物や浴衣のデザインとしても人気があります。


巻き上げ絞り

【巻き上げ絞り】
「巻き上げ絞り」とは、その名の通り、紐を巻き上げて模様の輪郭を作り、染め上げる絞り染め技法のひとつです。

「巻き上げ絞り」は、生地に同じ幅でヒダを寄せたり、蛇腹に折り畳んだ後にゴムや紐を巻き付けたりして染めていきます。


むらくも染め

【むらくも染め】
全体に濃淡があり、雲間のような模様が特徴の「むらくも染め」。

むらくも染めは、生地を両手の指でわし掴み、ランダムにヒダを寄せてゴムで固定して染めます。


藍染の工程

藍染の工程

藍染はどのような工程で染められるのかについてご紹介します。

まず、染料以外に必要な材料については、以下のものが挙げられます。

  • 絞りをする為のゴム、紐、木片、パイプなどの道具類
  • ソーダ灰(炭酸ナトリウム)または消石灰をアルカリ材として使用
  • ハイドロサルファイト(還元剤)
  • 湯(60℃程度)
  • お酢(酢酸)
特に絞り染めという染め方は、アイデア次第でパターンが無限大にあるため、上記の道具以外にも使えるものは数多くあります。

では、実際にどうやって染めていくのか、工程をご紹介します。

工程 1. 染料の準備

藍汁をためておく藍甕(あいがめ)に、タデ藍の葉を乾燥し発酵させた蒅(すくも)を入れて、微生物による自然発酵や化学薬品(アルカリ剤など)を用いて水溶性の染料へと還元させます。

この一連の工程を「藍を建てる」と言います。

工程 2. 絞り

染料の準備が終わったら、染めたい生地に藍染の柄を出すための準備をします。

藍染の絞り方によって表現できる柄には、「雪花絞り」や「筒巻き絞り」などの定番の絞り方以外にも、数多くの技法が存在しています。
藍染の絞り方

例えば、雪の結晶や花のような模様を表現する際に使われる「雪花絞り」という技法では、上記の写真のように折り畳んだ布を2枚の板ではさみ、クランプでしっかりと締めた後に輪ゴムで固定できたら、準備の完成です。

工程 3. 藍の華を確認

最初に準備した染料液の表面には、次第に「藍の華」と呼ばれる泡が浮かんでくるのですが、この「藍の華」が立ったら、染め時です。

念のため、染色をする前に、きちんと染まるか確認するために染試験も行っておいた方が安心です。

工程 4. 水につける

染料が完成し、染試験にも問題がなければいざ藍染の染色の工程に入ります。

染めたい生地を水に浸け、まんべんなく浸透させていきます。この工程をはさむことで、より藍が浸透しやすくなります。
その後はよく絞り、水気を切っておきましょう。

工程 5. 染色液につける

生地の水気を十分に切ったら、藍の染料液に投入し、染色を開始します。
生地を染料の中へと静かにゆっくり入れ、1~2分つけていると色付いてきます。

工程 6. 染色物を空気にさらす

思い通りの場所が色づいたら、生地を染料から引き上げ、しっかりと水気を絞ります。そして生地を広げて1~2分空気にさらして待つと、酸化発色でうっすらと藍色になっているのが確認できます。

希望の色目になるまで工程の「5」と「6」を2、3回繰り返すのですが、色を濃くしたい場合は、この工程を5回ほど行って色を調整していきます。

工程 7. 染料を洗い流す

理想の色になったら、藍から取り出して水道水で余分な染料を洗い流します。

色がある程度出なくなるまで、しっかりと洗い、洗った後は水気を絞り、5分程度酢酸につけて「色留め」をします。
この工程を行うことで色落ち防止になります。

工程 8. 乾燥

最後の工程では、藍染で染め上がったものを乾燥させていきます。空気酸化をさせることで、染料の定着を促す効果があります。

藍は時間が経つにつれ色素が繊維の中に入りこんでいき、色が丈夫になり独特の深みを増していきます。

藍染を体験するには

藍染を体験するには

世界に一つだけのオリジナルアイテムが作れることもあり、ご好評いただいている藍染体験。
水野染工場では、「日比谷オクロジ店」にて、毎月4日程度開催しています。

藍染体験で染められるアイテムは、Tシャツやストールのほか、ハンカチやスカーフなど、様々な種類をご用意しております。ご希望の方は、染めたい生地を持ち込んでいただくことも可能です。

開催の詳細は水野染工場「日比谷オクロジ店」のホームページ上で常時お知らせしておりますので、ご希望の方はこちらから開催日時や内容をご確認ください。

伝統的な藍染をもっと近くに

伝統的な藍染製品を取り扱う水野染工場「日比谷オクロジ店」
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水野染工場では印染商品を中心に、図案から染色、縫製までを一貫して制作。様々な伝統技法を用いて、お客様の「想い」に寄り添う商品をひとつひとつ、心を込めて染め上げます。

実店舗のご案内

水野染工場「日比谷オクロジ店」では、手ぬぐい、半纏、旗・・・など、フルオーダー製品のお悩みやご不安な点などを、直接ご相談いただけます。
また、既製品手ぬぐいや各種藍染製品、染物体験(予約制)などもご用意しておりますので、ぜひ染物をお手に取ってご体感ください。
    水野染工場「日比谷オクロジ店」
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水野染工場では、半纏(法被)、暖簾、大漁旗、幟、社旗、旗(フラッグ)など、各種印染製品のオーダーメイドを承っております。
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