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Column
暖簾の竿を通す部分の名前は“乳(チチ)”!?その由来と仕立ての種類

皆さんは、暖簾の竿を通す部分の名前をご存じでしょうか?
実は意外かもしれませんが、暖簾の竿を通す部分には“チチ”という名前があるんです。
今回は暖簾の“チチ”について、どうしてその名前が付いたのか由来をお話するとともに、暖簾の地域差や仕立ての種類についてご紹介します。
暖簾の“チチ”の由来とは?

暖簾の竿を通す部分が“チチ”という名前になったのは、竿を通す部分が犬のお乳のように規則正しく並んでいるのと似ていたため、“乳(チチ)”と呼ばれるようになったと言われています。
諸説ありますが、暖簾の始まりは奈良時代。当時、暖簾は日除けや寒さをしのぐために使われていました。
その後、室町時代頃から商店の屋号や模様を暖簾にデザインするようになりましたが、一般的に現代の暖簾のように宣伝の意味も兼ねて使いだしたのは、家紋やロゴなどの印を染め抜く技術が進んだ江戸時代初頭頃からだと言われています。
関東と関西で異なる仕立て方
暖簾・日除け暖簾に竹竿(棒)を通す部分の仕立て方は、「チチ仕立て」と「袋(筒)仕立て」の2種類があります。
主に関東では「チチ仕立て」、関西では「袋仕立て」が一般的な仕立て方となっていますが、現代ではそれぞれ用途やデザイン・好みに合わせて仕立て方を選ぶことが多くなっているため、以前と比べて地域差は少なくなってきているようです。
チチ仕立て

「チチ仕立て」は、暖簾の竿を通す部分を輪っか状にして、均等に並べて仕立てたもので、主に関東地方で一般的に使われている暖簾の仕立て方です。
水野染工場では、基本的に暖簾(のれん)の場合、縦寸約9.5cm×横寸約3.5cmのチチが均等に並び、直径3.5cm程度までの棒を通すことのできるサイズとなっています。
また、端部分にはチチを2つ並べるのが水野染工場の暖簾の特徴で、暖簾を掛ける際に2つのチチの間に棒を吊るすためのフックを掛けることによって、風によるズレを防ぐ仕様にしています。
袋仕立て

「袋仕立て」は、暖簾の竿を通す部分を1つの筒状に仕立てたものです。
先程ご紹介した「チチ仕立て」は関東地方で一般的に使われている仕立て方ですが、関西地方では「袋仕立て」が一般的に多く使われています。
現代では地域差も少なくなってきており、「袋仕立て」は暖簾のデザインを全面的に見せたい場合や、暖簾の竿を隠したい場合などにも選ばれています。
“チチ”は幟(のぼり)でも
実は、竿を通す部分を“チチ”と呼ぶのは暖簾だけではありません。実は、幟(のぼり)の竿を通す部分も暖簾と同じように“チチ”を使います。
幟も竿を通す部分が犬の乳の様に規則正しく並んでいる様子から、暖簾と同じように“チチ”という名称が使われており、別名「乳付き旗」や「耳付け旗」とも呼ばれています。
また幟の語源は、チチを伝わって旗竿の上へ上へと押し上げるところから、ノボリ(昇り)と呼ぶようになったとも言われており、現在では、一般的に“チチ”のついた伝統的な形式のものを「のぼり(幟)」、棒の横にとりつける形式のものを「はた(旗)」と呼ぶことが多いです。
関連記事:「知っておきたい「のぼり旗」の歴史や種類、そして発注する際のポイントとは?」
お店の“顔”としての暖簾
奈良時代からはじまり、今ではお店の「顔」として親しまれている暖簾。
その暖簾の“チチ”の由来についてお話しましたが、参考になったでしょうか?
水野染工場では、藍染をはじめ日本の伝統的な本染を使って大切なお店の顔となる暖簾のオーダーメイドを承っております。
お客様の要望に沿って、よりご満足いただける商品をお届けするため、無料の生地サンプルや色見本帳もご用意しておりますので、ぜひ一度お気軽にお問合せ下さい。
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水野染工場では印染商品を中心に、図案から染色、縫製までを一貫して制作。様々な伝統技法を用いて、お客様の「想い」に寄り添う商品をひとつひとつ、心を込めて染め上げます。
日比谷オクロジ店
また、各種藍染製品、染物体験(予約制)などもご用意しておりますので、ぜひ染物をお手に取ってご体感ください。
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