本染の作業工程
●本染(反応染め)の作業工程
水野染工場では主に、「引染(ひきぞめ)」と「捺染(なせん)」という伝統的な本染技法で、様々な商品をおつくりしています。ここでは、2つの技法のくわしい作業工程をご紹介いたします。
引染
― ひきぞめ ―
「引染」とは、大小の刷毛に染料を含ませ、引くようにして一点一点染め上げる技法で、旗や暖簾、幟など、色数の多いものやサイズの大きなものを染めるのによく用いられます。
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下絵づくり
ご注文内容の構成・デザインをお客様に確認していただいた後、パソコンまたは手描きで下絵を作成していきます。
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型づくり、色づくり
作成した下絵にもとづいて、型と色を作っていきます。
数種類の染料を混ぜ合わせることで、3000色以上の色を表現することができます。 -
大漁旗の型を作っています
染料を調合して色を作ります
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糊置き
文字や輪郭など、白く残したい部分に糊を置いていきます。
糊置きには、ツカと呼ばれる絞り袋を用いて糊を引く「筒引き」と、生地に型をのせ、ヘラを使って糊を置く「型糊置き」の2つの手法があります。これらの手法で、もち米を炊いてつくった真糊(まのり)という伝統的な防染糊を生地に置いていきます。仕上げに砂をまいて、1日ほど乾かします。 -
職人による「筒引き」
砂をかけて糊を保護します
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染め
職人が刷毛で一色一色丁寧に染めていきます。
大小の刷毛を使い分けながら、ムラにならないよう一息に染め上げます。
染色後、生地に固着剤を塗って色を固着させます。
※蒸して色を固着させる場合もあります。 -
大漁旗を染めています
半纏を染めています
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乾燥、洗濯
洗濯をして、糊や余分な染料を洗い落とします。
染料の抜け具合などを確認しながら、水温や洗い時間などを細かく調節していきます。
しっかりと洗い流した後、もう一度干して乾燥させます。 -
生地を干して乾燥させます
糊と余分な染料を洗い落とします
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仕立て・アイロン
お客様のご要望に合わせて、商品を仕立てていきます。
仕立てた後、丁寧にアイロンをかけシワを取ります。 -
丁寧に仕立てていきます
アイロンでシワを伸ばします
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納品
完成した商品を梱包し、お客様に発送いたします。
捺染
― なせん ―
「捺染」とは、1色ごとに型を作り、スキージと呼ばれるヘラで染料を生地に捺しつけるようにして染色する技法で、手ぬぐいや半纏など、柄の細かいものや、大量に同じものをおつくりするときに用います。
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下絵づくり
ご注文内容の構成・デザインをお客様に確認していただいた後、パソコンまたは手描きで下絵を作成していきます。
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型づくり、色づくり
作成した下絵にもとづき、型と色を作っていきます。
染めたい部分を彫りぬいた型を、紗(しゃ)を張った型枠に貼り付けます。型は使用する色ごとに用意します。
気温や湿度に合わせて微妙に配合を変えながら、数種類の染料を混ぜて色をつくります。 -
半纏の型を作っています
色ごとに型を用意します
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染め
生地の上に型を置き、スキージと呼ばれるヘラで、染料を捺しつけるようにして染めていきます。
生地の種類などによって、スキージの角度や力の入れ具合を調整しながら染色します。
1色ごとに型を変えて染め上げます。 -
半纏を染めています
手ぬぐいを染めています
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乾燥、蒸し
染めた生地を一晩ほど干して乾かします。
しっかりと乾かした後、染料を固着させるために蒸し窯で蒸します。
※固着剤で色を固着させる場合もあります。 -
生地を干して乾燥させます
蒸し窯で色を固着させます
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乾燥、洗濯
洗濯して余分な染料を洗い落としていきます。
染料の抜け具合などを確認しながら、水温や洗い時間などを細かく調節します。
洗濯後、もう一度干して乾燥させます。 -
余分な染料を洗い落とします
天日やアイロナーで乾かします
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仕立て・アイロン
お客様のご要望に合わせて、商品を仕立てていきます。
仕立てた後、丁寧にアイロンをかけシワを取ります。 -
丁寧に仕立てていきます
アイロンでシワを伸ばします
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納品
完成した商品を梱包し、お客様に発送いたします。