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日本の伝統的な染物と染色技法の種類について


日本の伝統的な染物と染色技法の種類について

藍染以外にも、日本には数多くの伝統的な染物が存在します。
染色の歴史は古く、衣類や日用品など私たちの生活に深く関わりながら時代とともに染色技法も発展してきました。

そこで今回の記事では、日本の伝統的な染物の種類や染色技法について詳しく解説します。


染物の種類

水野染工場では藍染を中心に行っていますが、ほかにも染物と呼ばれるものがたくさんあります。
まず、「染物」とは白生地を織ったあとに染料で染めたものを指します。

生地にただ色を付けるのだけではなく、染料で模様を描いたり模様を付けたりするために、様々な染色技法が生み出されてきました。

着物に様々な種類の模様があることからも分かるように、特に染色技法が発展したと言われているのが江戸時代。
染物ひとつからその時代の流行や人々の生活様式までもが見えてきます。

ここでは、伝統的な染物の種類についについてご紹介してきます。

染物の種類 1:友禅染め

染物の種類1:友禅染め
現代でも有名な技法染色の技法の一つで、職人が布の上に絵を描くように多彩な色で表現する染色方法です。

草花など自然の風景を描かれていることが多く、予め布に入れておいた下絵の輪郭に沿ってのりを塗り、防染したあとに筆や刷毛を使って色付けをしていきます。

京都で作られるものを「京友禅(きょうゆうぜん)」、石川県の金沢で作られるものを「加賀友禅(かがゆうぜん)」、東京で作られるものを「東京友禅(とうきょうゆうぜん)」と言います。

染物の種類 2:江戸小紋

染物の種類2:江戸小紋
江戸時代、諸大名が正装として着用した裃(かみしも)の染めに由来する小紋で、後に女性も利用するように。
基本的には単色で、型紙を使って染めるのが特徴です。

遠目からは一見無地のように見えますが、近くに寄ると精緻な柄を見ることができます。

染物の種類 3:更紗染め

染物の種類3:更紗染め
インドが起源とされている文様染めで、沢山の型紙を使い刷毛で染料をのせながら模様を作りあげていく技法です。
完成するのには時間がかかりますが、異国的な色模様が美しく、現在では着物や帯、ふとん、風呂敷などに使われています。

染物の種類 4:琉球紅型染め

琉球紅型染め
南国特有の色鮮やかな色彩が目を引く、沖縄県に古くから伝わる伝統的な染物です。
琉球王国時代、主に貴族の衣装として染められていたものが始まりと言われており、現在では伝統的な琉球衣装や、お土産物屋さんに並ぶ小物などで見ることができます。

染物の種類 5:有松・鳴海絞り

染物の種類5:有松・鳴海絞り
愛知県有松・鳴海地方で栄えた絞り染め技法で、手ぬぐいの「板締め豆絞り」の始まりといわれています。
江戸時代に尾張藩による藩の特産品として盛んとなり、最盛期には100種類以上もの模様が存在しました。

様々な糸のくくり技法やその組み合わせ、雪花絞りなどによる多彩な模様など、その模様の豊富さは世界一と謳われ、海外でも「SHIBORI」といえば有松絞りを示すほどです。

栄えた江戸時代には東海道を往来する旅人のお土産としても好まれ、またあの葛飾北斎や歌川広重らの浮世絵にも度々描写されています。

日本古代の染色技法、三纈(さんけち)の一つでもある「纐纈(こうけち)」は「絞り染め」の技法で、糸や紐を用いて生地を絞ったり縫い絞りしたりする防染技術は現在でも愛知の「有松絞り」が有名です。

染物の種類 6:出雲藍板締め

絵柄を彫った、正面と反転した版木に布を挟み藍染料に浸染または注ぎ染めした技法。
「板締め」は、日本古代の染色技法、三纈(さんけち)の一つ「夾纈(きょうけち)」であり、防染糊などが開発される以前の技術です。

もともとは中国の唐から伝わったとされ、奈良の正倉院宝物に保存されている布にも夾纈(きょうけち)の技法がいくつも散見されています。

布を染める為の版木を彫るなどの技法は、しばらく技術として進歩しなかった時期があるものの、江戸時代に入ると浮世絵などの印刷技術が進歩し、また藍染と木綿栽培が盛んとなった頃に板締め技法が復活しました。

出雲地方では嫁入り道具として家紋入りの風呂敷を持たせる風習があり、その技術はさらに進化していったのですが、後に友禅や型染の技法が台頭してくると次第に廃れていきました。

現在では「板締め絞り」として一部の技法が受け継がれ、現在の出雲地方では「筒書き藍染」が主流となっています。

染物の種類 7:辻が花(辻ヶ花)

絞り染めを主体とし、さらに描絵、刺繍、摺箔などを加飾した技法です。

町衆が着る衣として室町~江戸初期の短期間に隆盛した後、友禅などが広まると急速に廃れて消滅。
現存する遺品数は全国でも300点足らずとされており、「幻の染物」ともいわれています。

なぜ名前が『辻が花』なのかは定かではなく、謎が多く残る染物です。

染物の種類 8:ろうけつ染

日本古代の染色技法、三纈(さんけち)の一つ、「臈纈(ろうけち)」であるろうけつ染め。

溶かした蝋を筆にとって生地に模様を描き、その上から染料で染めていきます。
蝋による防染で書いた部分は染まらず、それ以外の部分に模様が出来上がってくる防染技術です。

インドから中国を経て日本に伝わり、平安時代頃までよく使われていましたが、遣唐使廃止により道具としていた蜜蝋が輸入されなくなったことから一時期途絶えてしまいます。

後に友禅染めとして用いられるようになり、復活しました。

染物の種類 9:柿渋染

柿を未熟な青柿のうちに採取し、粉砕、圧搾して得られる渋液を染料にしたもの。

浸染や引染めなどで染めると橙~茶系の色味に。
色素成分のタンニンによって、年月とともにどんどん色味が強くなっていくのも特徴です。

高い防水・防腐・防虫効果を持つため、古くから布以外にもよく使われてきました。
ちなみに型染の道具である渋紙は、柿渋と和紙を層にして出来た物です。

染物の種類 10:草木染め

染物の種類10:草木染め
植物の葉、花、皮や昆虫などから色味を抽出する天然素材を染料として浸染などで染める技法。
媒染液(アルミニウム・銅・鉄・ミョウバン)を使うことで繊維染着を良くし、染色濃度を上げます。
草木染は媒染液によって、色味が多様に変化します。

染物の染色技法の種類

染物の染色技法の種類
一般的には布を染料に浸して色を付ける「浸染」が知られていると思いますが、染色の技法は他にも様々なものがあります。
ここでは代表的な染色技法をご紹介します。

染色技法の種類 1:硫化染め

綿素材などセルロース繊維に使われる染め方です。

硫化ナトリウムを加えた溶液の中へ硫化染料を入れて60~70℃で加熱し還元させ、溶かして使用します。
化学的な藍染として普及しましたが、黒・紺・緑・鼠などと、色数は限定されます。

染色技法の種類 2:注染

一反(約11メートル)の生地を畳みながら防染糊を型付けしていき、染料を上から注ぎ込むことから注(そそぎ)染といわれています。

染料をかけ合わせることによってグラデーションなどの模様を出すことに優れ、主に浴衣や手ぬぐいの染色に用いられる技法です。

染色技法の種類 3:顔料捺染

顔料とは、着色に用いる粉末で水や油に不溶の物の総称をさします。
固着剤を使い、繊維の表面に顔料を付着させてデザインを表現する技法で、企業の名入れタオルや、横断幕や幟(のぼり)など、多くの布製品に使われています。

染色技法の種類 4:昇華転写

ポリエステル生地の染色に使われる分散染料を応用し、気化しやすい昇華タイプのものを使用してデザインを生地に染み込ませていく方法。

パソコンで作成したデザインをインクジェットプリンターで転写紙にプリントし、それを高温でプレスまたはロールで生地に染色します。
Tシャツや帽子などの布製品のほか、陶器やガラスなど様々な素材にプリントできるのが特徴です。

伝統的な藍染をもっと近くに

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水野染工場では印染商品を中心に、図案から染色、縫製までを一貫して制作。様々な伝統技法を用いて、お客様の「想い」に寄り添う商品をひとつひとつ、心を込めて染め上げます。

日比谷オクロジ店

水野染工場「日比谷オクロジ店」では、手ぬぐい、半纏、旗・・・など、フルオーダー製品のお悩みやご不安な点などを、直接ご相談いただけます。
また、各種藍染製品、染物体験(予約制)などもご用意しておりますので、ぜひ染物をお手に取ってご体感ください。
    水野染工場「日比谷オクロジ店」
  • 〒100-0011 東京都千代田区内幸町一丁目7-1 JR高架下
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自然豊かな美瑛町で、原料となる藍の栽培から藍染を行い、人と自然を藍で結びたい。そして美瑛町の景色にある美瑛ブルーと藍染の色合いが重なり合い、伝統的な美しさを新しいカタチで表現していきます。

藍染結の杜

藍染結の杜には、藍染体験(予約制)、各種藍染製品のショップ、藍茶が飲めるカフェがあります。
北海道美瑛町の絶景を一望できる丘が敷地内にあり、写真スポットとしてもお勧めです。
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    藍染結の杜(あいぞめゆいのもり)
  • 〒071-0474 北海道上川郡美瑛町字拓進(拓真館前)
  • ・JR美瑛駅から車で約15分、レンタサイクルで約40分​
  • ・旭川空港から車で約30分
  • ・JR旭川駅前から車で約45分

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水野染工場では、半纏(法被)、暖簾、大漁旗、幟、社旗、旗(フラッグ)など、各種印染製品のオーダーメイドを承っております。
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