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藍染と硫化染めって何が違うの?それぞれの特徴や用途の違い


 藍染と硫化染めって何が違うの?それぞれの特徴や用途の違い

日本の代表的な染色技法でもある藍染と硫化染め。

どちらも濃い藍色が特徴的な染物製品ですが、どちらも聞いたことがあったとしても、具体的に何が違うのかは知らないと言った方も多いはず。

そこで今回は、創業明治40年の水野染工場が、藍染と硫化染めそれぞれの特徴や用途の違いについて解説します。

藍染と硫化染めの違いって?

どちらも深い藍色が美しく、使えば使うほど独特な風合いが出てくる染物ですが、藍染と硫化染めにはそれぞれ違いがあります。

ここでは、藍染と硫化染めの染料の違いや、それぞれの特徴、用途などについてまとめていきます。

染料

藍染と硫化染めの一番大きな違いは染料です。

藍染に使われるのは、タデアイ(蓼藍)やアイタデ(藍蓼)と呼ばれているタデ科イヌタデ属の一年生植物で、一説では人類最古の染料とも言われている“天然染料”です。

 藍染の染料:タデ藍

もともとは中国東部、朝鮮半島、日本列島中央部周辺で青色の染料として重用されており、日本へは約1500年前・奈良時代に中国から朝鮮を経て伝えられたとされています。

反対に、硫化染めに使われているのは、アミノフェノールのような有機化合物を硫黄や多硫化ナトリウムと一緒に加熱して作られる“化学染料”で、藍染に似た製品を大量生産するために開発され、1893年に実用化されたと言われています。

染色技法

藍染の染料は、まずタデ藍の葉を乾燥、発酵させた「蒅(すくも)」と呼ばれる染料のもとになるものを作り、その後、微生物による自然発酵や化学薬品(アルカリ剤など)を用いて水溶性の染料へと還元させたものを使います。

染色の際は手作業で色を付けるのですが、藍染は染液から生地を引き上げて空気にさらして待つことで酸化し、少しずつ美しい藍色に発色していくため、好みの色になるまで染色を繰り返します。

藍染の染色

その藍染と同じように空気にさらして酸化させることで発色するのが、硫化染めです。

硫化染めは、アミノフェノールなどの有機化合物と硫黄や多硫化ナトリウムとを加熱して作られた溶液に、生地を浸してから、空気にさらして酸化させます。

そして、藍染の工程と同じように、好みの色になるまで繰り返し溶液に浸すことで、深い紺色の生地が完成します。

関連記事:「一から手作業で完成させる藍染の工程」

製品の特徴・用途の違い

使えば使うほどに風合いが増すのが特徴の藍染。

実は、藍染の染料として使われる“藍”には、防虫・抗菌・解毒などの効果があるため、古くから酒造業、蕎麦屋、呉服商などの多くが防虫効果を期待して藍染の暖簾を利用してきたという経緯があります。

また他にも、藍は古くから消臭や抗炎症薬としても利用されてきたこともあり、直接肌に触れる手ぬぐいや、祭りや仕事で使われる法被・半纏などを染める際に藍染が選ばれることも多いです。

硫化染めと比較すると手間と費用は掛かりますが、染色職人の手作業によって一枚一枚丁寧に染め上げられた藍染は、使えば使うほど独特の風合いが出てくるため、育てる楽しみがあるのも魅力の一つです。

対して硫化染めは、職人の手作業によって一枚一枚染められる藍染とは異なり、大量生産をするために開発された染色技法であるため、安価に染物製品を作りたい時に適しています。

色落ちしにくく耐久性もあるため、主に水撥ねや汚れで何度も洗濯が必要な帆前掛けやデニムを染める際に使われることが多いのが特徴です。

関連記事:「藍染とは?藍の持つ効果と歴史」

藍染と硫化染め製品の見分け方

藍染も硫化染めもどちらも濃紺が美しい染物ですが、普段から染物製品に触れていないと、なかなか両者の見分けはつかないものです。

そこで、藍染と硫化染めの完成直後と5年後の製品をそれぞれ比較してみました。

完成直後の見分け方

藍染と硫化染め:完成直後 藍染と硫化染め:完成直後

こちらは左が藍染で右が硫化染めの画像ですが、藍染も硫化染めも完成直後は色合いも濃く、柄もくっきりと表現されている状態です。

藍染半纏などの濃度の高い藍染商品の場合は、完成直後はまだ藍が落ち着いておらず、余分な藍染料が色落ち・色移りをしてしまう可能性があるため、1年ほど商品を寝かして色を落ち着ける必要があります。
ただし藍染体験などで使用される藍染商品は濃度が高くない為完成後すぐご使用することが可能でございます。
2つの製品を比べると、硫化染めの方が生地の風合いが硬くてしっかりとした手触りになります。

5年経過後の見分け方

藍染と硫化染め:5年経過後 藍染と硫化染め:5年経過後

藍染(画像左)も硫化染め(画像右)も使用を重ねていくことで全体的に色が落ち着き、それぞれ染物特有の風合いが出てきます。

完成してから5年経過すると、プロでも見分けるのが難しくなるのですが、色褪せの仕方や生地の硬さなどに違いが出てきます。

特に硫化染めは、洗濯を繰り返すことで硬かった生地が少し柔らかくなります。また全体的に折り皺や擦れ皺、色褪せなども出てきますが、ある程度は保たれているのが特徴的です。

一方、藍染の方は時間が経過することで藍本来の色合いへと変化するのですが、全体的に色が落ちていくのが特徴です。ただ、その色の褪せ方が風合いとなる上、徐々に染料が生地に馴染んで着心地も肌なじみも良くなってくるという点が、古くから藍染が愛されてきている理由にも繋がっています。

染物製品を長く使うために 最適な洗濯方法とは?

藍染も硫化染めも長く使おうと思うと、気になるのが洗濯方法についてですが、それぞれ染色方法によって適した洗い方があります。

まず、藍染製品の場合は、基本的に洗濯を避けた方が良いでしょう。

どうしても洗濯したい場合には、水でさっと手洗いする程度にして、絞らずに陰干ししてください。また、ドライクリーニングには適していないので注意が必要です。

藍染のお手入れ方法については、こちらの「藍染は色落ちする?洗濯・お手入れの仕方」で詳しくご紹介しておりますので、こちらもご参照ください。

次に、硫化染めの場合ですが、一般的な洗濯物として洗うことができるため、おしゃれ着用洗剤などの中性洗剤を使用して水洗いを行ってください。

伝統的な藍染と大衆に親しまれる硫化染め

古くから日本人に愛されてきた伝統的な染色技術である藍染と、一度で大量に安く製品を作ることができる硫化染め。

どちらの染色方法にも異なる特徴があり、それぞれ使用を繰り返すことで味や風合いが出る染物製品ですが、長い時間をかけて色合いが変化していく様を楽しむのも染物製品を作る魅力の一つです。

水野染工場では、藍染・硫化染めともにそれぞれの特性に合った製品をご用意しております。

各種オリジナルオーダーメイドにも対応しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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